整形外科

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高齢者と骨折

高齢者の骨の特徴と問題点は、骨粗しょう症の存在です。これは、骨がもろくなった状態のことで、若い人に比べて骨が弱いため、折れやすくなっています。ほんのわずかな外力でも骨折が起こり、数ヵ月間の通院を必要とすることも、まれではありません。

骨折を起こす原因のほとんどが転倒です。転ぶ場所としては、階段・玄関など段差のある所、また、屋外よりも居室でのことが多く、過半数を占めています。よく知った場所も、安心して気を抜いているために、かえって危険になるようです。

特に高齢者によく見られるのが、上腕骨頸部(じょうわんこつけいぶ)(腕の付け根)骨折、橈骨遠位端(とうこつえんいたん)(手首)骨折、脊椎(背骨)圧迫骨折、大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)(ももの付け根)骨折。「お年寄りの四大骨折」とも言われています。これらは、転倒して手をつく、ひじ・肩を打つ、しりもちをつく、下肢(かし)をひねるなどの動作で起こります。いずれも転位(ずれ)の有無や程度によって治療法が異なり、ギプス・装具などの外固定による保存療法から手術療法まで、選択される手段はさまざまです。

医師が行う治療と、患者さんにがんばってもらうリハビリにより、骨折は基本的には治ります。しかし、高齢者は骨だけでなく筋力・体力も衰えているため、骨折後、運動能力の低下をきたすことが多いようです。特に大腿骨頸部骨折後、歩行能力が著しく障害される場合があります。新潟大学整形外科の新潟県における調査では、受傷後70パーセントに歩行能力低下を認め、25パーセントは寝たきりとなることが分かっています。つまり、4人に1人が寝たきりになる可能性があるのです。

したがって、今日の高齢化社会において大切なことは、転倒・骨折を予防することだといえます。筋力を鍛える、柔軟性を養う、動作をゆっくりとし、動きやすい服を着る、屋内に手すりを付けたり、段差をなくすなどを、生活の中で心がけましょう。併せて、骨を丈夫にするために医師と相談し、骨粗しょう症の検査・治療を受けることが重要です。

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