整形外科

←一覧へ戻る

アキレス腱周囲炎

ジョギング愛好者などで、アキレス腱の周囲に痛みや腫れを生じ、走る事が困難になる方が時々外来を受診します。これをアキレス腱周囲炎といい、ランニングやジャンプ動作を頻回に行うスポーツ活動によって、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)に過度の牽引力が加わり、使い過ぎ症候群:over use syndrome として発症します。また、下腿三頭筋の筋力・柔軟性の低下、加齢による腱の変性なども関係するといわれ、スポーツでは練習量・練習内容の急激な変化も影響します。

症状としてはアキレス腱部の痛み・圧痛・腫れ・熱感と、それによる足関節の運動(背屈)障害、走行障害などを認め、進行例では歩行時や安静時にも痛むようになります。

診断はスポーツ歴の聴取と、局所の圧痛・腫れ・熱感を確認する事で比較的容易ですが、アキレス腱周囲炎と似た症状を持つ他の病態(滑液包炎、踵骨の変化、腱の骨化、ふくらはぎの筋肉の部分断裂など)との鑑別が必要なため、レントゲン検査・MRI検査・超音波検査などの補助診断法を用いて診断を確定します。

治療は保存療法が主体となりますが、まず局所の安静が大切で、症状の程度に応じてスポーツ活動の中断や減量を行ない、重症例ではギプス等で固定する事もあります。薬物療法としては、外用薬・内服薬・注射薬を使用して局所の炎症を抑えます。理学療法は、ふくらはぎの筋肉のストレッチ(膝伸展位および屈曲位で)、温熱療法とアイスマッサージの組み合わせなどが有効といわれています。また、装具療法として足底支持板の使用も効果があります。

このような治療でほとんどの例は症状が軽快しますが、数ヵ月間の保存療法後も治らない場合は、手術療法(アキレス腱周囲の癒着剥離や、硬くなった組織の切除)を選択する必要があります。

完治までに長時間を要する事もありますが、保存療法・手術療法を含め、担当整形外科医とよく相談の上方針を決め、治療を進めてみてください。

ページの先頭へ