整形外科

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五十肩

40歳から50歳代で、特別な原因もなく肩に痛みを感じ、動きが制限されてくるという人がいます。これをいわゆる「五十肩」といい、私たち整形外科医は、半世紀以上前から「明らかな起因を証明しにくい初老期の疼痛性肩関節制動症」といった概念で表現しており、ほかに肩関節周囲炎、凍結肩などの呼び方もあります。

原因としては肩峰下滑液包(肩甲骨外側の肩峰と上腕骨の間にある袋)の障害、上腕二頭筋長頭腱(力こぶの筋肉の腱)周囲の炎症、関節包(関節の袋)の癒着などが考えられています。

肩の痛みや運動制限を訴えて患者さんが外来を受診された場合、私たちは五十肩以外の疾患(骨折、変形性関節症、腱板損傷、石灰沈着性腱板炎など)の可能性を除外するために問診、診察、レントゲン写真などで所見をとり、必要に応じて関節造影、超音波検査、MRI検査などを行って診断を確定します。

治療は運動療法、薬物療法、理学療法、手術療法など多岐にわたりますが、患者さん自身に行っていただく一番大切な治療は、関節可動域改善を目指した運動療法です。

強い痛みを感じる動作は控えめにしてもよいのですが、お風呂に入る時などはゆっくりと肩を温め、多少の痛みを感じても肩関節を動かす体操を積極的に行ってください。また、冬場の気温の低下、夏場のクーラーなどで肩を冷やさないよう注意しましょう。夜間に痛みを感じる場合は、寝る体位を変えたり、タオルや枕を使って腕の位置を工夫してみてください。

もちろん医師から処方される内服薬、外用薬、注射などの薬物を利用して痛みを和らげる治療や、医療機関でのリハビリテーション(温熱療法、可動域訓練など)も重要です。また、関節鏡を用いた侵襲の少ない手術療法も進歩しています。

患者さんの多くは肩関節の動きがかなり制限された状態で外来を受診されますので、治療期間が1~2年という長期に及ぶこともしばしばあります。自覚症状がある場合はがまんしないで早めに整形外科病・医院を受診し、担当医とよく相談の上、治療を受けてください。

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